相続税の基本②

前回は相続税がかかるかどうかの基本的な考え方についてご説明しました。

そもそもどのようなものが相続税の課税対象になるのでしょうか。
またその評価額はどのようにして計算するのでしょうか。

今回はサラリーマン家庭を想定して主立ったものを簡単にご説明しますので、試算をする際にご参考にしていただけたらと思います。

課税対象の財産には以下のようなものがあります。

●現金
日常的に家にある現金、タンスや引出、貸金庫にある現金などを集計します。

●預金
本人名義の預貯金の額となりますが、名義預金といって配偶者名義や子供、孫名義の預金でも実質的に本人の預金と考えられる場合はこれらも加算します。
どのようなものが名義預金に当たるのかは一概には言えませんが、その預金の預入財産は誰のものだったのか、預金の管理は誰が行っていたのか、などで総合的に判断することになります。

●土地
国税庁のHPで路線価を調べ、路線価がある場合は路線価×土地面積で計算します。申告時には間口距離、奥行距離、土地の形、接している道路数などを考慮して一定の調整を加えますが、正方形に近い四角形の土地で特殊な状況がなければ、試算の段階ではとりあえず路線価×土地面積の金額でも良いと思います。
また、路線価がない場合には評価倍率が定められていますので、固定資産税評価額×倍率で評価します。
なお固定資産税評価額は、固定資産税納税通知書の「価格」の欄の数字になります。

●家屋
固定資産税評価額が相続税の評価額になります。

●生命保険金
保険金額になりますが、現在の法律では500万円×相続人の数までは非課税になりますので、これを超えた部分が課税対象になります。

●上場株式や投資信託など
試算の段階では、証券会社からの報告書等をもとに、新聞、インターネットで取引価格を調べて計算する方法で良いと思います。

●家財や貴金属、骨董品、その他
基本的に時価で評価しますので、市場価格や鑑定額等を参考にして評価します。

なお、賃貸物件の土地・家屋は以下のように評価します。
土地・・上記の評価額×(1-借地権割合×30%)
家屋・・上記の評価額×(1-30%)
※借地権割合は路線価図に記載されています。
※関西では算式の30%が40%になる場合があります。

次に、財産から差し引かれる債務については借入金、葬式費用などがありますが、住宅ローンの場合で、団体信用生命保険、いわゆる団信に加入している場合は、死亡と同時に保険金によって借入金が返済され、結果として債務としては考慮されませんのでご注意下さい。

以上、簡単にご説明しましたが、いかがでしたでしょうか?

サブコンテンツ

このページの先頭へ